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●no.6とno.7で編んだベスト、腕が自由に動かせて快適、着ていても楽しい。一度始めると止まらない編み編み症候群。最初の二着、アランの模様編みをベースにしたものと違い、次に手がけたのは黒と白のネップの混ざったグレイの渋い糸。これを活かすにはメリヤス地のダダ編みしかない。作りも至ってシンプルで前あきのかぶりもの。メリヤス編みは退屈でつまらないから、前立てを長目にしてボタンで遊ぶしかないな、最初に糸を選んだ時からの企みだった。太めの糸なので目数も少ない。オリンピックを見ながらあっという間に本体ができあがった。袖を編まなくてよい分よけいに早い。
●手持ちのボタンも持ち込んで、イクスピアリのla droguerie = ラ・ドログリー(本店パリ・日本国内8店舗)に出掛けて、色んなボタンを置いて考えてみた。最初はグレイと赤でまとめようかと思っていたのだが、こうしてみるとボタンによって全く違う個性・表情を見せてくれるから面白い。売り場の人と一緒になって、色々楽しんでみた。いや、遊びすぎた。 ![]() ![]() ●今回のグレイの糸シリーズにはあと何色かあって、秘かに紺系を狙っているのだが、混ざりネップの色がオレンジや白など明るいので、それを如何に使いこなそうかと思案中。イメージが固まってからゆっくり糸を買うことにしよう。新春からのベスト連続制作も、この三着目で一段落となるか?。 ![]() ▲
by arinco22
| 2006-02-27 08:40
| 造
●私の読書遍歴といって、取り立てて語る程のものではないが、あまり本好きでもなかった子供時代の読書は「シートン動物記」や「ドリトル先生」でひとまず終わったかと思う。童話以後で明確に記憶に残っている最初の本は、小学校6年の時に両親の書架から大人臭いタイトルに惹かれて取り上げた「死よ驕るなかれ」(ジョン.ガンサー 中野 好夫,矢川 徳光 訳 岩波新書青版)であった。中学一年の頃、宿題や試験勉強なんてどうでもよいと、机に隠して読みふけったのは、いささか時代がかっているが、文庫本の「路傍の石(山本有三)」「次郎物語(下村湖人)」「二十四の瞳(壺井栄)」あたりからだった。
![]() ●当時の私にはピンと来る...または魂が打ち震えるという物語ではなかったが、時々父が「エイろう?」と、土佐弁で問うて来た時には首を縦に振っておくことにしていた。親爺が娘に初めて買ってくれた文庫本、あの時の父の気持ちが、今なら少し理解できるような気もする。この贈り物は、自分が父親らしい何かをした...おれの趣味を伝えたいという気持ちなんだな...その記憶として刻印されている。今もこの本は手元にある。私の文庫本との付き合いの記念碑のように。12歳をスタートラインに、文庫本には随分お世話になった。学生時代には、行きつけの書店さんに日参しての本漁り、挙げ句の果てに店番すらしたことがある。 ●岩波文庫の★ひとつが50円で、★★だと100円というのは、いつ頃まで続いていたのだろうか。今時の人に、★一個がね...などと言う話をしてもポカンとしてる。こんな話を持ち出そうものなら、最早、自分が墓穴を掘っているような気がする。時代は変わった。 ●最近ではカラー写真満載の文庫サイズの本など、うっかりすると1000円を軽く超えるようなものもある。でも薄手のものは300円前後からのようだ。数ヶ月に一度の小波、数年に一度の大波、本の虫が空腹を訴える。今時の文庫本のコーナーには食指の動く本が驚くほど少ない。余程の売れ筋か新刊は山とあるのに。昔、読み損ねて、今さら読みたい本は、大型書店かネット注文という時代になってしまった。ちょっともどかしい。 ▲
by arinco22
| 2006-02-25 03:15
| 思
![]() ●忙しいとか何とか言いながら、押入れの天袋にある毛糸ストックを物色した。20年も前に買いだめして散々...何着も作ったアルパカの糸。残っていたのは難易度の高い色、以前の私は扱いかねたらしい。焦げ茶とグレイのミックス色。今見るととても良い色に思える。 ●さてこれで、前開きのかぶりベストにしようと、勝手に手が動いていた。でも、どうするか、およそのイメージはあっても、具体的な仕上げ方法は決まっていなかった。 ●縁取りの仕上げは、断然、生成りの白でクルリと巻き込むような雰囲気にしよう、首周りや前あきは負担の少ないスッキリしたものにして、と考えながら編み進む。猛烈に忙しい時期だったから1日1cmしか進まぬ日もあった。それでも、止まらない。 ●途中、仕事で要り用な輸入物の色木綿糸を買いに行ったイクスピアリの手芸材料店で、ちゃっかりと釦を探している私がいた。梟=ふくろう!を発見。その時にこのベストの「仕上げはこうだ!」が決まった。後は仕事の合間に、プリンタへのダウンロードやプリント中(数時間かかる)、他に作業の進めようのない隙をみて編む・編む・編む。ベースの編み地はおとなしいアランの模様だ。ふくろうのボタンを取り付ける仕上げが、わくわく楽しかった。 ![]() ●編み物は麻薬的...次の物に取りかからないと寂しい性分、そう、私はすでに次の一着を編み始めている。今度のは、黒や白のネップの入ったミックス調のグレイの糸。糸を活かし、サクッとボーイッシュでプレーンなもの、やっぱり編みながらアイデアを練っている。 ▲
by arinco22
| 2006-02-21 18:28
| 造
●およその知人は、私が料理をしないでもナイというと、意外・心外な顔をする。「へぇぇ?!」とか「またまたまたぁ!」とからかう。そして私は秘かにその反応を楽しんでいる。料理も何もかも、世間では女性がするものだ考えられている諸々を私は遊びの感覚で興じる。料理は、こうすれば・あぁなるのではないか?という、その思いつきやプロセスが面白いし、結果を出せるのが割と早いこと、何より作って美味しい思いができるから好きなのだ。
![]() ●私が、編み物を始めたのはおよそ30年前だ。そしてかなり...半端でない数を編んだが、ここ10年ほどはそんな遊びから遠ざかっていた。たくさん編みながら、いわゆる本に載っているものではなく、いつの間にか自分のオリジナルしか作らないようになっていった。今年、元日に思い立ってベストを編み始めた。自分が着たいもの、冬の厚手のジャケットの下で、腕が動かしやすくて背中の温かいものといえばベストだ。こういう物は市販されていない。フリースばかり着ているのにも飽きた...毛糸のものが着たいがセーターは暑苦しい。編み始めてから色々工夫したくなり、ちょっと懲りすぎたので時間が掛かったが、工芸っぽい仕上がりとなった。 ●いわゆる絵柄物の編み込み模様は、あまり性に合わないらしい。もっぱら模様編み、アランの模様=ケルトの伝統的な模様編みのテクスチュアが大好きだ。その約束のアランのモチーフを組み合わせて、糸や色を自分の好みのものにする。 ![]() 私「自分でね、実は私って不器用だと思う。こうしたいという思いが手を動かしてる。」 母「はぁ、それねぇ、うん、分かるような気がするよ。」 何にせよ、何もないところに一本の糸からテクスチュアを持つ着物ができることが楽しい。 ▲
by arinco22
| 2006-02-20 15:48
| 造
●「蟻=ari」という文字は、「虫」に「義」と書くということを、我が同僚が気付かせてくれた。
さて困ったと、私はフリーズしてしまった。そこで「虫」偏の文字に思いを巡らせてみた。 ![]() 蛇、蛤、蛎.、蛸...アワワあるある...。 ふと興味が沸き、漢和辞典を久々に紐といてみた。 日本人に馴染みのあるものも含め、 案外、虫偏の文字は多い。 でも、なぜ「虹」という文字が虫偏なのだろう。 虹はむかし竜の一種と考えられていたそうだ。 はぁ、ふむふむと納得した。 ●して、なぜ「蟻」という字は「虫」に「義」なのか。 下手な説明より右の辞典→をズバリ撮影、 三省堂、長澤規矩也編・新漢和中辞典である。 (高校入学時に学校指定で買ったs43第6刷) ●要するに「蟻」という文字には、 微細で玄(くろ)いという意味が含まれ、 微細で玄い虫=蟻という構成であることを知った。 なるほど、四角四面の義理や任侠の義とは、 この場合、意を異とするらしきことを知り、 ちょっとホッとするやら気が抜けるやらであった。 ![]() ▲
by arinco22
| 2006-02-19 17:30
| 知
●先日の事だが、23時30分発の電車に乗った。車中、やれやれ今日も終わるなぁとぼんやり気分、帰宅したら明日になっている時間帯であった。発車間際、一人の男性が飛び乗って来て、私の隣の空席にコートで膨らんだ身体をねじ込んだ。そして、その人はノートPCを膝に開いたのだった。
![]() ●が、そのお方はメールソフトを立ち上げた...いかん...それはイカン。そして余程お忙しい方か、メールチェックやお返事を始められたのである。途端に私の右半身にロックが掛かってしまった。車中にあって右側の視野が閉ざされてしまったということだ。目のやり場がない。これは一種の...無意思の暴力または嫌がらせ...迷惑行為!だと感じた。当然ながら私はその人のメールなど見たくない、たとえ右に顔が動いても読むはずはない。しかし、右視線は誤解を招くような気がするではないか。 ●しばし硬直したまま時間が経った。数分とはいえ長く感じる。するとのそのお疲れ仕事人さんは、コクリコクリと睡魔の前に敗退なさったようだ。私の右半身にかすかに体重を感じる。紳士の手はキーボードの上に置かれたままだが、PCは煌々としてスリープする気配はない。よそ様のメールが読みたければ今がチャンスだけど、NO THANK YOU!!!、まだ起きて必死にキーを叩いてくれた方が気が紛れる。乗車時間20と数分。やがて、同じ駅でそのジェントルマンも下車したが、なんと窮屈・不快だったこと...うたた寝する知恵さえ浮かばなかった自分が損した気分だ。(仕事場で物思いに耽るウチ猫らんぽ嬢の画像は、本文と一切無関係です。為念。) ![]() ●さて、電車の中で嫌だと感じる 電子製品の使用を列挙してみよう。 1 ノートPCでのメールや文書作成 2 携帯電話での大声会話 3 ウォークマンなど音楽再生機の イヤフォンからの音漏れ ●ついでながら携帯メールは、地下鉄駅構内など最近は電波圏内となり、間隙をぬって数文字メールの発信など、私も時には車中の通信環境を利用させてもらっている。これは便利で大助かり。 ●も一つ、思い出した迷惑話。ずっと昔に友人と東京タワーの展望フロアに行った時のことだ。窓ににじり寄り景色を眺めていた。そして、ベンチに座り直し風景を楽しみながら話をしていたその時だ。後から来た「大・バカっぷる」が、窓辺で濃厚なコミュニケーション=KISSSSSsssss大会を始めたのである。しかも白昼。軽いのなら?可愛い?仕方ない?許す!。でも、ネチネチとずっと続けた!。何かお声を掛けようかと思ったが、さすがにゲンナリしてこちらの負け、退散した経験がある。誰も、選りに選って、私の前でそんなSHOWのサービスはお願いしてませんてば!。 ▲
by arinco22
| 2006-02-16 15:53
| 考
●少し前、と言っても去年2005年12月4日のことだから既に2ヶ月前のこと。その日、今にも雨が降り出しそうな中、私は千葉県銚子市にぶらり日帰り一人遠足に出掛けた。
![]() ●私は、これまで神にも仏にも全くといってよいほど縁の無い生き方をしてきた。未だ宮参りも七五三も済んでない(だからまともに大人になれない?)し、両親の供養も寺の坊主に不快さを感じ縁を切ったままだ。 ●怒り心頭...煮えくり返るなんて...およそ無いに等しい呆けな私が、この20日程前にかなり強烈な打撃を受け、自分が思っていたよりダメージが大きかったらしい。それで何か憂さ晴らし=気分転換が必要だったようだ。そんな時に知人が「方位がね...」なんてことを言う。???な気持ちもあったが一生に一度ぐらいは運勢的な話に素直に耳を貸してみるかな?と遊び心が疼いた。世間で言うところの「方位除け...とか...方たがい」というやつだ。その時の私にとって...どっち向きに行けば良いのかさえ根拠のないまま、とにかく...あ〜非日常的な場所に来た!と自覚できる場所...地図を見て東!とイマジネーションを持ち眺めていたら、そこが銚子だった。そして方除の神様は?と検索すると猿田神社がクローズアップされた...そんな他愛のないいきさつだった。 ![]() ![]() ●そして、いよいよ辿り着いた。冬の曇天のせいかもしれないが、意外にシックだなぁ...。一の鳥居(↓左)・二の鳥居(↓中)をくぐり抜け、やれやれ階段ですかぁ...と、登りつめた私の目の前に、渋い拝殿(↓右)が現れた。(↓images...click to enlarge) ![]() ![]() ●本殿(←上下)は、807年に改築-961〜4年に修築-1127年に改築-1566年に消失後-1574年に再建-1680年に改築という歴史、桃山時代の豪華華麗な様式を伝える貴重な県有形文化財に指定されているそうだ。また、神社の背後には広大な社叢や森があるようで、これも含めて...気候の良い頃にもう一度行ってみたいと思っている。 ●さて、私は「方除け」の御利益遊山にここに来たのだった。とは言え、神社のお商売であるお払いを授かるまでのことはない。交通安全から結婚式まで...どうやら何でも一手に引き受けているようだ。ここまで足を運んだだけで良しとしよう。開運・方除・庚申の神とされている。寛容な八百万の神々は、きっと私の来訪を見届け歓迎の意を表してくれたに違いないと決め込む。お水で清め、小銭のお賽銭。そして我流なお祈り。お守りを記念に「買い」...おみくじを引いて「遊ぶ」、土手の土を一かけら「おみやげ」。 ●こんな得手勝手な「お客」である私に...果たして神は微笑んでくれているのだろうか?。その後の2ヶ月...今のところ神の怒りは買っていないのかもしれない。とりあえず無事であり...かつ例年と違い今年は苦手な新春の季節からどことなく明るい展望さえ感じている。多分...気分転換とはいえ...こんなコトを生まれて初めてしてみようとした自分の気持ちが前に向いているのか...そんな気がしないでもないが。神頼みという風習に倣ってみて...たまには良いものだなぁ...行ってみようと思える場所があるってことは...そんな感じなのだ。 ![]() (その後、銚子市街に足を伸ばし夕刻に千葉経由で帰宅したが、この日は実に楽しいことや出会いがたくさんあった。そのお話は...続編でボチボチ。。。) ▲
by arinco22
| 2006-02-12 07:21
| 行
![]() ●このピアニストの存在を初めて知ったのは、2004年の年末にテレビ放映された「ヴェルビエ音楽祭」を見たことによる。その音楽祭(2004年夏)には、マルタ・アルゲリッチをはじめ蒼々たる音楽家達が集い、管弦楽器・歌などなど、それは目を見張る素晴らしい演奏会であったが、中でもピアノは、キーシンとアルゲリッチの一台四手連弾から始まり、最後には8台16手の合奏という展開で幕を閉じた。(ヴェルビエ音楽祭の模様はDVDで発売されている) ●そして私は、その8人のピアニストの中にいた、きらきらと輝くアジアの演奏家にゾッコンとなった。その放送では、もちろん独演を聴くことはなかったが、その後、LANG LANGのカーネギー・ホールでのリサイタル(ライブ)のCDが発売されていることを知り...その一枚は...去年のお正月の楽しみとして愛聴版になってくれた。シューマンのアベッグ変奏曲のなんと素晴らしいこと...私をどれほどリフレッシュしてくれたかしれない。もちろん、その他の収録曲も...溌剌と...とにかく楽しい。 ●その後...LANG LANG演奏のCDがどのぐらい発売されているのか...リサーチもしないままに1年が過ぎた。先週末4日...たまたまこのアルバム「LANG LANG MEMORY」(2005年8月収録)に遭遇した。なんでも収録曲は幼き日の彼にとって、その後ピアノと運命を共にする道を歩むという...大きなキッカケとなった忘れ得ぬものが選曲されているという。 収録曲…Piano Sonata no.10 in C major, K.330 ...Mozart Piano Sonata no.3 in B minor, op58 ...Chopin Kinderszenen op.15 ...Schmann Bonus CD Hungarian Rhapsody no.2 in C sharp minor ...Liszt ●この演奏について...当然...私ごときが云々すべきものではないが、感じたことを少々。 ・とてつもなく透明感のある美しい音であるなぁ。 ・各作曲家の曲を演奏者なりに...とてもよく理解して...愛のある演奏であるなぁ。 ・この人の演奏にはアジア訛りを感じない...21世紀...地球的なセンスに溢れてるなぁ。 ・この人の演奏を聴いていると、とても良い気持ち...元気になれるなぁ。 以 上 ▲
by arinco22
| 2006-02-06 13:15
| 聴
![]() しかし最近になって 食べ物以外の話題も何か書き残したい そんな思いが募ってきました そこで この2nd blogを始めてみることにしました ● ひょっとしたら挫折=行き倒れもariかも知れない でも ゆっくりペースでボチボチ積み重ねて 楽しみたいと思います 内容も海山雑多 脈絡がないものになりそうな予感がします 何が飛び出すか 私にもまだ分かりません 前途多難 ● どうか期待せずに 時々ここを覗いてやって下さい そして この空間を通して様々な交流ができたり また 皆様から何らかのお教えをいただけるなら この上ない喜びです ● m(_ _)m ▲
by arinco22
| 2006-02-06 11:40
| 事始め
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につぐ arincoの2nd blog ******* 内容も...海山...雑多 ひたすら...地味に...渋く どうか...期待せずに 覗いてやって下さい m(_ _)m お気に入りブログ
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